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Bad Charity?-良心で行おうとしたTシャツ寄付が物議を醸したのはなぜか。

 2011年2月17日

World VisionのTシャツ寄付議論について日本であまり話題になっていないようなので、急きょブログに書くことにしました。

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一週間ほど前から、World Vision USが途上国にたくさんのTシャツを送ったことに対して、ウェブ上で議論が巻き起こっています。何かと思い、ブログ記事などを辿っていくと、事は2010年の春にまで遡ることがわかりました。

援助の世界を何も知らない若いアメリカのビジネスマンは、世界を変えたいと思い、途上国にTシャツを寄付しようとしていました。そこに何の悪意もありませんでしたが、彼は援助のプロやブロガ―たちから多くの批判を受けることになりました。それが昨年春の話。

今、World VisionがTシャツを途上国に送ったことで、議論を醸しています。何も知らなかった若者ならまだしも、World Visionは何十年もの歴史を持つ、援助団体の古株なのに・・・と。

今回のWorld Visionの件を見る前に、昨年春の若いビジネスマンの例について、TIME紙の記事、「Bad Charity? (All I Got Was This Lousy T-Shirt!)」より和訳引用してご紹介します(小見出しはこちらで挿入しました)。
是非ご一読を!!



ーーーーーーーーーーーー和訳引用ーーーーーーーーーーー

「世界を変えたい」若者の思いと裏腹に

若いフロリダのビジネスマンは、100万枚のTシャツを集め、アフリカの貧しい人々に送ろうと決めた。これは対外援助の歴史的にも全く無害な行為に見えた。ジェイソン・サドラ―は、ただ助けたかっただけだった。
彼は、彼の広告会社I Wear Your Shirtで余った全てのTシャツから始めようと思った。だけどそれは、援助ブロガ―のグループから批判を受けることになった。

「それはすごくムカつくことだった。だって、僕がやろうとしていることは何か良いことを起こしたり、人々が人助けになるようなことをするよう後押ししているんだから。」

サドラ―はアフリカを訪れたことも、対外支援プロジェクトに関わったこともなかった。彼の宣伝文句は、あまりにも単純で考えが甘かった:“富みを分け合おう、Tシャツを分け合おう ― 私たちは世界を変えようとしている。”
(中略)
援助批判の統率者ウィリアム・イースタリーは言う。「もし私が手術を受けるなら、私はその人が良い心を持っているかにあまり興味はない。その人が、悪い心を持っていないことをもちろん望むけど、それより自分がやっていることをちゃんと知っているかどうかにより興味がある。」


絶えないアフリカ支援と落とし穴

なのに、なぜ、ただアフリカの人々を助けたいという人達が絶えないのだろう?まず第1に、アフリカにシャツを届けるのはそんなに大変なことではない。しかし、無料のグッズのマーケットが流れ込むことは、すでにそのグッズを売っている人たちを崩壊させる。服を寄付することは、アフリカでは敏感なトピックになっている。なぜなら、多くの国で布産業は、70年代~80年代に輸入されてきた中古の服によって崩壊した。
「まず、あなたは、これらの村がコットンの商品を生産することを不可能にし、そしてあなたは言うんだ。『Tシャツをあげようか?』」

貧乏な人たちを助けようとしている人達は、しばしば親切な良い寄付は、助ける方法になるって考えている。たしかに、それは、潜在的な寄付者たちをインスパイアするとても簡単な方法だ。ハイチの地震の被害者を助けようと1万個のテディベアを集めた男の子がいた。Soles4Soulsは靴を送った。こんな例はたくさん続く。ホテルの古くなった石鹸、下着、粉ミルク、それからスパムまで。
(中略)
「人々はまだ靴、靴下、下着、Tシャツを集め続けている。それが助けになるという思い込みのもとに。」
そしてそこにはコストの問題もある。テディベアを送るために費やされるお金は、もっと差し迫ったニーズのために使われたほうが良かったんじゃないか?Tシャツにも同じことが言える。


サドラ―の新たな決意

サドラ―は柔軟性があった。彼は、批判の言葉を良く聴き、もうアフリカにTシャツを送ったりしないと言う。彼は集めたTシャツを別の方法で使うと言う。おそらく、災害でホームレスになった人に送ったり、そのTシャツで別のものをつくったりする、と。そして全ての利益は、いつでも「会社のポリシーである、サステナビリティを助長するために」使うと彼は言う。「僕はたくさんのひとの言葉を聞いてきた。これをもっと良く、もっと助けになるように変えていきたい。そして、僕が経験していないことを経験してきた人の言葉を良く聴こうと思う。」


全ての対外援助は無駄?

しかし、全ての対外援助は、なんであれ、アフリカを後退させていると主張する批判者もいる。そういう援助が、これまでほとんどアフリカの経済成長につながっていないことは、研究結果が示している。むしろ、遅らせている。
ケニアのコラムニスト、ラスナ・ワラは言う。「長期的解決策は、援助ではない。援助をやめろというのは、ひどいと聞こえるかもしれないが、本当にそうすべきなのだ。」
「アフリカでいろんなものが、投げ捨てられた。悲しいのは、アフリカの政府がNo.と言わないことだ。彼らは、『もっと送ってください』と言うのだ。」

ーーーーーーーーーーーー和訳引用ーーーーーーーーーーー

最後に

良心だけで寄付を始めるのは、しばしば危険を伴うということが今回の記事からわかったと思います。World Visionは、自分たちの寄付は、サドラ―の寄付とは違うと主張していますが、真相はどうなのでしょう?私ももう少し、この件について調べる必要がありそうです。
この件についてまた面白い記事があれば、紹介したいと思います!


参考・引用

(1)Whadams, Nick.(2010). Bad Charity?(All I Got Was This Lousy T-Shirt!). TIME.
(2)Good Intents(2010). Tracking the World Vision / NFL Shirt Donation Controversy. Good Intents are not enough.
(3)Sadler, Jason.(2010). 1 Million Shirts.
(4)Talerico, Lindsey.(2010). 100,000 reasons to love the Super Bowl. World Vision.

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