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「貧困問題」などと言うけれど、実際には何が問題なのか②「病」編―『Dancing Skelton』より

 2011年4月2日

こんにちは。

以前、『Dancing Skelton』の中に登場する「食」にまつわる問題について書きましたが、今回は「病」に焦点を当てます。(前回記事を先にお読みになってください。)

あなたの解決したい問題とは何ですか?


Ⅰ.記憶力のない女性

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赤ちゃんの体重を測って栄養状態をチェック
栄養失調で危険な子供の親に、子供に食べものを与えるよう、作者が指示しました。ところが、どんなに強くうったえても、彼女は曖昧な返事しかせず、実行に移すことはありませんでした。

しばらくして、子供の状態がさらにわるくなったとき、その親は嘆きました。なんでこうなってしまったのか、と。

変に思った作者は、その親の知り合いに尋ねました。

作者「彼女(その親)に何か問題はある?」

女性「んー彼女は普通のひとより少し記憶力が悪いかもしれないわ」

作者「それってどんなふうに?」

女性「そうね、たとえば、彼女は、今言われたことを、次の日には覚えていないわ」

作者ははっとする。
お親は、作者に言われたことを理解していないのではなく、本当に覚えていることができなかったのです。

Ⅱ.ダウン症の子供

作者は、ダウン症の子供を持っていました。
ダウン症は、外表奇形や精神発達遅滞などの特徴を持つ病気です。

マリ(アフリカ)で、作者は、ダウン症(とわかる)の女の子に出会いました。
彼女は無邪気でしたが、ときどき意味不明なことを言ったり、うまくことばを喋れなかったりしました

もちろん、親は、そして、まわりは、ダウン症など知りません。
親は、ただ、うちの子はなんでうまく喋れないんだろう。そう思うだけでした。


Ⅲ.赤いおしっこ

体にはいりこむ悪い虫によって、おしっこが赤い男の子がいました。
もちろんひとのおしっこの色なんて知らないし、自分がおかしいことなんて気づきません。
さらに、おしっこが赤くなったのは、大人になった証だという説まで、村にはあったのでした。

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こうした水遊びなどによって、害虫が体に入り込む



さてⅠ~Ⅲを通して浮きぼりになる共通の問題は、

現地のひとは、病気に関する知識もないということです。

たとえば流行しているマラリアとか、外側からあきらかな病気はともかく、とくに精神的な病などについては全くと言っていいほど知らないのです。

見た目のお話

栄養失調であきらかに見た目がおかしい子の話をしました。
極端に細い手足にたいして、大きな頭。クワシオルコルと呼ばれる状態です。
どうして、彼らは、それを問題と思わないのでしょう。

それは、スタンダード化です。

つまり、栄養失調によって体が正常に育たない子供が、あまりにも村にいすぎて、それが、スタンダードになっていってしまうということです。

すごく特徴のあるものが、多くの中でひとつしかないと、それはとても目立つけれど、すごく特徴のあるように見えるものが、たくさんあると、それはもはや特徴的ではなく、まわりからみても普通の状態に見えてしまうようになるわけです。
逆に偏見を受けないとも言えるかもしれません。


最後に

ここに存在する問題とはなんでしょう?
「病」というテーマの背景にある問題はなんなのでしょうか?
一時的に薬をあげれば解決できる問題でしょうか?
私たちにやるべきことがあるとすればそれはなんでしょう?
しかしまた、私たちの手によって偏見が生まれてしまうとすれば・・・
それは代償というには大きすぎるように思いませんか?


引用

Katherine Dettwyler
Waveland Pr Inc
発売日:1993-07




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