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「貧困問題」などと言うけれど、実際には何が問題なのか①「食」編―『Dancing Skelton』より

 2011年2月27日

今日は、私が、アフリカの開発に興味を持つようになったきかっけの本をご紹介します。


dancingskelton

題名:『Dancing Skeleton』踊る骸骨

私の留学中に取っていた、Introduction to Cultural Anthropology文化人類学入門)の授業の教科書でした。

作者(女性)は、文化人類学者で、アフリカのマリへ、現地調査しに行きます。

ここで大事なのは、彼女の仕事は、「その地域に住む人が何を食べ、どんな風に生活をしているのか」を調査し、ありのままを伝えることであって、そこに住む人を助けるわけでも援助の在り方について提言することでもありません。

ですから、この本に書かれているのも、その村のありのままの姿です。そこから何を感じ取るのか、どう行動につなげるかは、読者次第です。文化人類学について多くを説明することは、ここではしませんが、最近人類学と開発の分野を結び付ける動きも増えてきているみたいですね(なぜなら、人類学者は観察のプロですから)。よかったら調べてみてください。

この本の筆者は調査の一環で、マリのいくつかの村を訪れ、子供の体重身長なんかを測ったりしています。

そうすると、あきらかに、年齢にしては体重が足りないな、とかいう子がたくさん出てくるわけです。

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そして私が問題だと感じた点はここから


食べ物の価値

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栄養失調で、頭だけ大きくて、手足はとても細い子供たち。ひとりでちゃんと頭を支えることができない。栄養失調で、手足は骨のようなのに、おなかだけ、なぜか、ぼーんって出ている。あきらかに元気がない。あまり御飯も食べたがらない。

でも実は、問題なのは、その子たちの親でした


作者「あなたの子供にもっとご飯を食べさせてあげて。」

親「でもあの子が食べたがらないのよ。食べたいときには食べさせてるわ」

作者「それじゃだめなの。子供の成長に必要なのは栄養。栄養がなければ成長できないの」

親「でも、たとえば、あなたのように一生懸命働いてるひとは、食べ物をたくさん食べるに値するわ。でも子供は、なにもしてくれないじゃない。それに、食べ物のおいしさをちゃんとわかってもいないし。それよりは、もうすぐ死んでしまう年寄りに食べ物を与えるべきなのよ


そうです。この村では、子供は食べ物を得るに値しない。むしろ働いてる大人がたくさん食べるべきだと考えているのです。


栄養失調とお金

まず、よくある勘違いが、

貧乏⇒栄養失調


実は違います。彼らの家庭が必ずしも貧乏とは限らないのです。


作者「もしあなたがもっとお金を持ってたら何に使う?」

女性「服とか、(食べ物じゃないもの)を買うと思う」

作者「ちがうの。あなたはその仮定上のお金を食べ物に費やさなければならないの。」

女性「どうして、私の好き勝手に使えないの?

わかったわ。だったら、きっとパンポテトマカロニを買うわ」


さあ、何が問題でしょう。作者は何を期待して、この質問をしたのでしょうか。

ちなみに、彼らの主食は、あわやきびのような穀類です。

まかろに


お肉のお話

まりごはん

作者「お肉はどれくらいの頻度で食べる?」

村人「誰かがヤギを殺したときよ

作者「じゃあどれくらいの頻度で、誰かがヤギを殺すの?」

村人「その誰かがお金が必要になったときよ」

作者「?」

村人「誰かがお金が必要になったとき、その人はヤギを殺して、近所の人にその肉を売って、一世帯が少しずつ買うから、彼は必要なだけのお金がたまったら、売るのをやめて、残りを自分で食べる

作者「どうしてお金が必要になるの?」

村人「薬買ったり、学校のお金だったり、親戚を尋ねる小旅行のお金だったり、仕事を探しに都心まで行くお金だったりよ」

作者「じゃあどんぐらいの頻度で、お金が必要になって、ヤギを殺すの?」

村人「それはいろいろよ」

作者「じゃあそれは毎日と言える?」

村人「もちろん言えないわ」

作者「一週間に一度?」

村人「そんなに頻繁じゃない」

作者「一か月に一度?」

村人「んーときどき。それかもうちょっと」

作者「一か月に2,3度?」

村人「たぶん2かな」


彼らは、あまりお肉をたべません。よってプロテインが足りません。生きていくのに必要な栄養が足りません

なのに、彼らは、お金があっても、お肉を買いません。どちらかというと、マカロニへの憧れが強いのです。

彼らは栄養を知りません。それがなんなのか。食べるべき食べ物がなんなのか。子供に何を食べさせるべきなのか。


最後に

食に対する価値観、栄養の知識、何もかもが私たちと違うことが分かったと思います。
あなたはこれを読んで何を感じましたか?何が問題で何が必要だと感じましたか?
ぜひ、考えてみてください。

つづく


引用

Katherine Dettwyler
Waveland Pr Inc
発売日:1993-07




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