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“TOMS Shoes”議論 – あなたが海外に寄付物を送る前に自分に聞くべき6つの質問

 2011年5月8日

アメリカでは、とても援助に関する議論が盛んです。
私は以前に、Tシャツ寄付のチャリティに関する議論を引用して載せました。

そして今、”靴”に関する議論が巻き起こっています。


1. TOMSによるOne for Oneキャンペーン

TOMSという靴メーカーがあります。TOMSは現在、”靴を一足購入すると、別の一足が貧乏な子供たちに寄付される”というキャンペーンをやっています。


2. 靴の無い日常体験キャンペーン

また、TOMSは、”One Day Without Shoes (靴のない日)” と言って、「みんなで、靴のない生活を体験しましょう」というキャンペーンもやっています。これには多くのアメリカ人が感化され、そして、TOMSの靴を買っていくんだそうです。



TOMS創設者のBlakeさんは、自らこう語っています。
「私たちは、ときどき、自分たちが持っているものを忘れてしまう。そして、それをたまに思い出すことは大切だ。多くの人は、途上国でどれだけ多くの子供たちが裸足のまま育ち、病気やけがなどのいろいろなリスクを背負っているのか、気づきもしない。現代の靴は履き心地も良く便利だ。だから私たちはほとんど自分の足のことを考えなくなってしまう。しかし、そのことが重要な問題になっている人たちもいるのだ。私はみんなに、靴のインパクトや、靴があるのと無いのとの違いを知ってほしい。だから、私は考えた;途上国の子供たちの生活がどんなものか体験してみないか?」


3. 尊厳の無い行為

そして、Good Intentions are Not Enoughというサイトでは、TOMSを批判し、「One Day Without Shoes」のアンチキャンペーン「One Day Without Dignity(尊厳の無い日)」を始めました。このビデオをはじめとし、多くのブロガーがこのキャンペーンに参加し、TOMSのキャンペーンに対する意見を書きました。


■無料でものをあげることで、ローカルのマーケットを壊している。
■中古服のアフリカへの輸入・服飾などの寄付で、多くの人が仕事を失っている。
「『施しものを与えること』=『尊厳の無い行為』だ。」

 

また、TOMSのキャンペーンに対してこのようにも言っています。
良いマーケティングだけど、悪い援助だ。


4. 寄付をする前に確認すべきこと

そこで、ウェブサイト「Good Intentions are Not Enough 」では、“6 questions you should ask before donating goods overseas (あなたが海外に寄付をする前にすべき6つの質問)”を紹介しています。

1. その寄付は、その土地の気候・文化・宗教に適切ですか?
2. (災害などのあとで、)寄付物の流入は、港での動きを詰まらせたりしませんか?
3. 彼らはその寄付を本当に必要としていますか?
4. そのグッズは、その土地で手に入りませんか?
5. そのグッズを受け取った人たちは、それを修理したり他のもので代用したりできますか?
6. それを寄付することは、良いというよりむしろ害を与えませんか?


5. ”Bad Aid”を”Good Aid”に変えていくチャンス

しかし一方で、この議論に慎重になっている人もいます。

カンボジア支援団体PEPYに所属するダニエラさんは、自身のサイトで、「TOMSは援助団体ではなく、靴の会社だ。だから、TOMSがNGOであるかのように判断することはできない。TOMSは、もっとビジネスを上手くやることについての議論を巻き起こしたし、多くのアメリカ人に”今までと違うものの買い方”について考えさせた。そして彼らの多くがTOMSの良い志に感化された。」と言います。

また、TOMSのキャンペーンなどのチャリティに対して、「こうした持続的でないチャリティモデルの失敗はこれまで幾度となく繰り返されてきたが、(一般の)人々はなかなかその失敗を知ることはない。」とも言っています。だからこういった失敗が繰り返されてしまうことはある意味では仕方のないことなのです。

しかし、ダニエラさんは、TOMSのBlakeのような人たちの影響力に大きな期待を寄せ、今回のTOMSの件は、”Bad Aid”を”Good Aid”に変えていく機会になり得ると言っています。「若者を感化させたことは大きい。あとは、Blakeのように影響力のある人や、私たち大人が、次のチェンジメーカーとなりうる世代を正しい方向へ導いていかなければならない。彼らが失敗してしまう前に。」


最後に

このようにアメリカでは、援助に関する議論が盛んに行われているのです。自分の経験をもとにウェブサイトを構築し、そこを議論の場にしているひとも多いですね。もちろんそういったひとたちの発言がすべて正しいと言い切ることはできません。ただ、こうした援助に関する議論が盛んに行われることは重要だと思っています。途上国に関する気づきを広めることも、何かアクションを起こすこともそれぞれ意味のあることだと思いますが、同時にこうした議論が広まることも大事なことだと私は考えています。単なる批判で終わらず新しい道筋を考えていくことが重要かもしれませんね。


引用

Mycoskie, Blake(2010). One Day Without Shoes:It’s Time to Participate. from Huffpost Impact.

Papi, Daniela(2011). TOMS Shoes: An opportunity for “Bad Aid” to generate “GREAT Aid”. from LESSONS I LEANED.

Saundra Schimmelpfennig(2011). 6 questions you should ask before donating goods overseas. from Good Intentions are not enough.

TOMS(2011). One Day Without Shoes.




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