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ミレニアム開発目標の達成状況は現状どうなっているのか

 2013年10月26日

もう2013年もあと数ヶ月で終わり、2014年になる。ミレニアム開発目標の区切りである2015年まで残り1年を目前に控えたところで、ミレニアム開発目標に関する2012年のレポートのサマリー部分を翻訳して紹介する。1年前のデータにはなるが、この情報を覚えておきつつ、2013年の結果が見られると良いと思う。なお、このレポートは達成状況の概況を(過剰に良い方向に曲げて)先に述べたあとに、地域ごとの偏りについて言及している。概況のみを読むとだいぶ実情とは異なる理解をしてしまう恐れがあるため、『2012年のミレニアム開発目標の達成状況概況』の章に書いてあることを鵜呑みにせず、最後まで本稿を読むことをお願いしたい。

MDGs(ミレニアム開発目標)とは


レポートの翻訳に入る前に、ミレニアム開発目標について簡単に説明しておく。ミレニアム開発目標とは、1990年を基準として2015年までに達成することを目標に設定された8つのゴール、21のターゲットとそのための指標のことである。21世紀国際社会の目標として採択された国連ミレニアム宣言と1990年代に採択された国際開発目標を統合してまとめられた。

2012年のミレニアム開発目標の達成状況概況

貧困に苦しむ人々の数はすべての地域において減少している

貧困状況が測定されるようになって以降、貧困に苦しむ人々の数は、サブサハラ・アフリカを含むすべての地域で減少している。1日1.25ドル以下の生活をしている人々の割合は、1990年の47%から2008年には24%にまで落ちている。(参考までに、最近世界銀行は極度の貧困率を2020年までに9%2030年までに3%にするなどの目標を設定している。)

貧困削減のための目標は達成されている

事前の推測としては、世界の1日1.25ドル以下の貧困率は1990年の半分以下にまで改善されているとされている。もしこの事実が確認されれば、2015年前にMDGsの目標が達成されたことになる。

世界で改善された水源へのアクセスがない人々の割合を半減させるという目標は達成されている

持続的な安全な飲水へのアクセスのない割合を半分に削減する目標も2010年までに達成されている。具体的には1990年の76%から2010年には89%まで改善されている。20億人の人が水道管や井戸による水へのアクセスを獲得している。

2億人以上のスラム居住者の生活の改善

途上国の都市部に住む人のうち、2000年には39%がスラムに住んでいたが、2012年には世界のスラム人口は33%まで改善されている。2億人以上のスラム居住者が改善された水源、衛生的な施設、混雑しすぎていない高耐久性住宅へのアクセスが可能になっている。これは2020年の目標を達成していることになる。

世界での初等教育における男女平等も達成されている

様々な努力によって、特に2000年以降、多くの子どもたちが初等教育に入学している。女の子が特に利益を享受している。1999年の入学率は91%だったものが、2010年には97%まで改善した。男女平等指数も97と、許容できるレベルである。

極めて大きな困難に直面していた多くの国々が初等教育の普及において大き一歩を踏み出している

サブサハラ・アフリカにおける初等学校への入学率は1990年から2010年の間に、58%から76%まで上昇した。初等教育を受けるべき子どもたちの数が増加している中、サブサハラ・アフリカ地域の多くの国々が、教育を受けていない子どもたちの比率を減らすことに成功している。

子どもの生存状況は改善され始めている

人口増加にも関わらず、世界での5歳以下の子どもたちの死亡数は、1990年には1200万以上だったものが、2010年には760万人まで減少しており、その勢いは加速している。最も5歳以下の子どもの死亡数が多いサブサハラ・アフリカ地域においては、1990年~2000年間に毎年1.2%とずつ減少していたのに対し、2000年~2010年間は2.4%ずつ減少するなど、減少率が2倍となっている。

HIV治療へのアクセスはすべての地域において増加している

2010年の末、途上国に住む650万人の人々がHIVやAIDSに対する抗レトロウイルス治療受けている。しかしながら2010年の目標には到達していない。

結核の普及を食い止め結核罹患率を減らすという目標は、達成に向けて順調に進んでいる

世界的に、2002年から結核罹患率は減少している。そして今日の推測では1990年時の結核による死亡率は、2015年までには半分になるとされている。

世界におけるマラリア死数は減少している

2000年以降、マラリア罹患率は世界的に17%減少している。この期間に、マラリアによる死亡率は25%減少している。マラリア感染が発生している99カ国中43カ国において、報告されているマラリア罹患事例数は、2000年から2010年の間に50%以上減少している。

2012年のミレニアム開発目標の達成状況 改善の偏りについて

上述したミレニアム開発目標達成状況は、地域によって偏りがある。さらに、2008~2009年の色々な危機後、いくつかのMDGsに関しては進捗が鈍化している。なお、引用元は異なるが、地域別の詳細な状況は下図の通り。

<外務省のページに掲載されているMDGs達成状況>

不安定な雇用が改善されているのは一部の地域である

不安定な雇用(無休の家内労働者と自営業ワーカーを合わせた雇用)は20年の間に67%からゆるやかに減少し、2011年時点で途上国の雇用全体の58%を占める。女性や若い世代は不当に安い支払いしか受け取れていないポジションになってしまうことが多い。

妊婦死亡の減少は2015年の目標達成にはまだ遠い

妊婦の健康の状態の改善や妊婦死亡の減少は進んでいるものの、依然としてその速度は緩やか。また、未成年出産件数の減少や避妊具の普及は進んでいるが、2000年以降その速度はゆるやかである。

農村地域における改善された水源の利用率は低いまま

2010年時点で、農村地域人口の19%が改善されていない水源を利用していたが、都市地域では人口の4%程度であった。安全性、信頼性、持続可能性、という観点が、MDGsの達成状況把握のための仮指標に反映されていなかったため、安全な水を利用している人の数は過剰に見積もっている可能性がある。さらに悪いことに、途上国人口の約半分にあたる25億人の人々が清潔な施設へアクセス出来ない状況が続いている。2015年までにその比率は67%に増加すると考えられているが、MDGsの目標達成のためには75%まで引き上げなければならない。

世界的に、飢餓問題は未解決

FAOによって行われた世界の栄養不足人口に関する最新の推測では、2006-2008時点で8億5000万人、世界の全人口の約15.5%の人々が飢餓に苦しんでいた、とされている。経済的貧困は改善されてきているにも関わらず、このような高い飢餓人口比率が続いていることから、いくつかの地域では食糧問題解決が進んでいないと考えられる。

スラム人口は増え続けている

都市人口におけるスラム人口の比率は減少しているものの、スラム人口自体は1990年の6億5000万人から増え続けている。現在、8億6300万人の人々がスラムに住んでいると推測されている。

向こう数年間が、より多くのMDGs目標を達成し、将来に向けた検討すべき国際課題を考える機会である

2015年という期限はいよいよ近づいてきている。政府、コミュニティ、市民社会、プライベートセクターが、積年の課題である不平等な事柄の解決により一層着手し、食糧の安全、性の平等、妊婦の健康、地域開発、インフラと環境の持続可能性のための活動を推し進め、気候変動に対応していかなければならない。
2015年以降に検討すべき新しい課題が見えてきつつある。このMDGsキャンペーンにおいて成功したことや失敗したことは、今後のディスカッションが着実に進み、我々が今後も課題を解決し続けていけるという自信を与えてくれる。

性の平等と女性のエンパワーメントが重要

性の不平等問題は依然として残っており、教育、雇用、経済炎上、社会参画、という点において女性は差別され続けている。女性への暴力はミレニアム開発目標達成への努力を台無しにしている。2015年とその先へのさらなる前進は、これら相互に関係しあう課題が解決されるかどうかにかかっている。

ミレニアム目標達成の進歩によって、目標に向かう世界の力強さと共有している目的を、我々は目の当たりにしている

ミレニアム開発目標は、世界の発展のために非常に基礎的な枠組みとして機能してきた。測定可能なゴールと目標設定に基づく明確な検討課題、そして共通したビジョンが、今までの成功にとって非常に重要な役割を果たしてきた。今、これらすべての課題はいつか解決されるし、されるべきであるという期待が高まってきている。リーダーはこの高い基準を持ち続け、お互いに矛盾しあっているように見えた、政治、ビジネス、学問、市民社会、それぞれのセクターが、共有された強い憧れを達成するためにどのようにコラボーレションしていけば良いかを学んでいる。2012年のMDGsレポートが提供する包括的な統計データと明確な分析が、我々が向かうべき素敵な未来を着想する一助となってくれるはずである。

ポスト2015開発目標に向けて

レポートのサマリー内容は上記まで。ポスト2015についても少し調べてみた。
2011年ごろからすでにポスト2015に向けた動きは始まっている。キャメロン英首相,ユドヨノ・インドネシア大統領,ジョンソン=サーリーフ・リベリア大統領を3共同議長とし,国連加盟国政府,民間セクター,学識者,市民社会活動家らから,地理的な及び男女のバランスに適切な配慮をして27名がハイレベルパネルに選ばれている模様。2013年になってからの活動はまだ調べられていないため詳細を書くことはできないが、2012年にあった国連持続可能な開発会議(リオ+20)において、MDGsを補完する持続可能な開発目標(SDGs: Sustainable Development Goals)を設定することについて議論されたりしているようだ。


参考

  1. ミレニアム開発目標

    http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/doukou/mdgs/about.html

    http://www.un.org/millenniumgoals/maternal.shtml

  2. 国連ミレニアム

    http://www.mofa.go.jp/mofaj/kaidan/kiroku/s_mori/arc_00/m_summit/sengen.html

  3. DAC新開発戦略

    http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/doukou/dac/sei_1_10.html

  4. ポスト2015開発目標

    http://www.post2015.jp/index.html

    http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/doukou/mdgs/p_mdgs/index.html


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