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支援の落とし穴②―蚊帳寄付支援と食料支援を例に

 2011年2月13日

前回は、支援の落とし穴①として、支援金が汚職利用されてしまう危険性について書きましたが、今回は蚊帳寄付支援食料支援を例に、別の視点から「支援の落とし穴」をみていきましょう。
(今回も、前回と同じ、WALL STREET JOURNALの記事「Why Foreign Aid Is Hurting Africa」から引用・抜粋しています。)


蚊帳寄付にみる支援の落とし穴

アフリカでマラリアの蔓延が問題になっていることは良く知られていますね。

マラリアは、蚊が運ぶ血液によって人から人へと移りますが、蚊帳(モスキートネット)とは、寝ている間に蚊の侵入を防ぐ道具です。

Icon mosquito net


たとえば、アフリカの小さな村に蚊帳メーカーがあるとします。
そこでは、週に500個の蚊帳を作るために、10人の従業員を雇っています。
そして、その10人の従業員はそれぞれ15人くらいの家族・親戚を養っています。
mosquito-net-factory-tanzania_306x199

アフリカのマラリア問題に目を付けた支援団体は、この地域に100,000個の蚊帳を無料で提供し始めました。

するとどうなるでしょう?

その支援は、たちまち蚊帳メーカーのビジネス機会を奪ってしまうことになります。
小さな蚊帳メーカーはもう用要らずです。
蚊帳を作って稼いでいた10人の従業員たちは、職を失い、彼らを頼っていた150人をサポートできなくなってしまいます。

しかも、寄付された蚊帳のほとんどは、数年すると破れて使い物にならなくなります。しかしもう、その村に蚊帳メーカーは存在しません。
よって、その村の人々はより支援を必要とすることになってしまうのです。


2. 食料支援にみる支援の落とし穴

食料支援に関しても、同じように、無駄に終わってしまっている例があります。

アメリカのある食料支援プログラムでは、何百万というお金が、アメリカで余剰している食料を買い、それをアフリカへ船舶輸送するために費やされています。

しかし、アメリカの食料が大量に送られるということは、アフリカの地元の農業を圧迫し、ときに失業させます。これで本当にアフリカの助けになっているのでしょうか?

foodaid

より良い戦略は、支援のためのお金を、アフリカ諸国内の農家から食べ物を買うために使い、それを必要としている地元の市民に分配することなのではないでしょうか。”と筆者は主張します。

食料支援が、「その国の輸出セクターにダメージを与える」という現象が起こっています。つまり、外国の市場が入ってきたために、アフリカの食料は外国の食料と値段を張らせなければならず、結果アフリカの食料は高すぎるということになり、太刀打ちできなくなってしまうのです。

USFOOD AID Ethiopia

最後に

前回・今回と、Dambisa Moyoさんの「Why Foreign Aid Is Hurting Africa」から抜粋しましたが、Moyoさんは『Dead Aid』という援助批判の著書で一躍有名になった方です。
彼女の意見に関しては、賛否両論あり、簡単に全てを鵜呑みにすることは危険ですが、こういう事実があるということを知っておく必要はあると思います。

むしろ、こういった側面を知ことから、支援の形がどんどん改良されていくことを私は期待しています。

ちなみにBoPイノベーションラボというサイトで、Moyoさんの著書『Dead Aid』についてよくまとめられている記事がありますよ!一読してみる価値ありです!

Moyoさんのツイッターアカウントもあります!Follow Her


参考・引用

Dambisa, Moyo. (2009). Why Foreign aid is hurting Africa. WALL STREET JOURNAL. Retrieved from http://online.wsj.com/article/SB123758895999200083.html



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