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途上国と知的財産権問題 <前半>

 2011年10月2日

さて、今回は「途上国と知的財産権問題」について紹介していきたいと思います。
一見、国際関係に関係のなさそうな知的財産権問題ですが、途上国に焦点を当てると明確な問題点が浮上してきます。

まずは、知的財産権についての基礎知識を紹介しておきましょう。

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知的財産権とは

Copyright?

知的財産権は、人間によって創出されたあらゆる事象に付与される権利です。
日本で施行されている知的財産基本法には以下のように定義されています。

知的財産基本法(平成14年法律第122号)

第二条 この法律で「知的財産」とは、発明、考案、植物の新品種、意匠、著作物その他
 の人間の創造的活動により生み出されるもの(発見又は解明がされた自然の法則又は現
 象であって、産業上の利用可能性があるものを含む。)、商標、商号その他事業活動に
 用いられる商品又は役務を表示するもの及び営業秘密その他の事業活動に有用な技術上
 又は営業上の情報をいう。
2 この法律で「知的財産権」とは、特許権、実用新案権、育成者権、意匠権、著作権、
 商標権その他の知的財産に関して法令により定められた権利又は法律上保護される利益
 に係る権利をいう。

 つまり、知的財産権とは、人間個人が創出したものを権利的側面、経済的側面から他人が無断で使用しないようにするための権利ということです。もし、権利を侵害された場合、民事的救済措置(差止請求、損害賠償請求)、刑事的措置、行政的措置(水際規制など)が取られることとなります。
知的財産権を定めることによって、一定期間、知的財産に対する排他的権利(独占権)を獲得することができ、この権利を根拠にして、生産・販売を独占実施したり、他者にライセンスしてロイヤルティ収入(何らかしらの「権利」に対する収入)を獲得したりすることが出来ます。

さて、基本的な知識を頭に入れた上で、ここで国際的に知的財産権がどのように関わっていくか、本論に移っていきましょう。

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国際関係と知的財産権

 国際関係に於いての紛争の要因は土地などを中心とした有体物によるものがほとんどでした。それは領土問題から武力による紛争=戦争に発展するという一連の流れを追うこととなります。しかし、WWⅡ以降、国際的な秩序が確立され、国家が「領土国家」から「通商国家」となるにつれて、その紛争の要因も有体物から無体物に変わることになりました。無体物は有体物に比べて、扱いが簡単である一方、そのアイディアや方法を盗んだり、真似をしやすくなったりします。そこで、定められたのが「知的財産権」という権利です。

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多国家間における知的財産権問題の発生

 知的財産権に関する国際レジームが形成され、国際的に保護水準を統一化させたのがWHOによるTRIPs協定(知的財産権の貿易関連の側面に関する協定、1995年発効)です。しかし、この協定が発効されるまで、国家間で様々な衝突が起こりました。そのひとつが、先進国と途上国の間での水準の統一に関しての衝突です。途上国は先進国に比べてオリジナリティのある特許や技術を持っておらず、権利を先進国基準で統一するとなると、彼らの発展に対しての足枷となってしまうことが懸念され、途上国からの反対がありました。

WTO Public Forum 2010

>>後半に続く

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