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「貧しい人たちの銀行取引を可能にする」Ekoの挑戦【Inclusive Business】

 2011年6月25日

こんにちは。

地元のアントレプレナーシップが生んだイノベーション、あるいは、貧困層包括的ビジネスと呼ばれるものの一例として、インドのモバイルバンキングサービスの先駆けとなったEko(正確にはEko Financial Services India)について紹介したいと思います。

貧しい人々が銀行にアクセスする壁

「貧しい人たちの銀行の取引を可能にする。」
これはインドにおいて長年大きな課題でした。

なぜ難しいのかというと、「貧しい人たち」による金銭のやりとりの量というのは、とても価値として少ないからです。インドで主要な銀行は、構造的に、少ないコストでそういった人たちをターゲットするのには向いていません。①取引の金額が少ないことと②銀行口座を開設するのに必要な公認の記録を持っていないという理由で、彼らは銀行業務にアクセスできないのです。例えばインドに多くいる移民労働者はそういった問題に直面しており、自国にお金を送ったりということができません。

こういったことを解決しようとしたのがEkoでした。


モバイルバンキング

Ekoは主要銀行が高収入層のみをターゲットにしていることを受け、2009年に、銀行取引のコストを削減する目的で設立されました。

Ekoは、主要銀行で利用可能なサービスを全てインターネット上で可能にしました。これによって、高いスタッフを雇う必要もなく、高コストだった銀行業務プロセスを、低コストのプロセスに置き換えてしまったのです。顧客はケータイひとつで、預金や送金などの銀行取引が行えるようになりました。


地元の小売店との協力

コストを低く抑えるために、Ekoはインドで“Kirana Store”として知られる小売店を、ビジネスの取引先として使うことにしました。つまり、顧客に簡単に近づけるように、ダイレクトに客とのつながりを持てる地元の小売店と協力しているのです。小売店は食料雑貨から携帯電話の充電器までを扱っていて、ローカルに点在しています。小売店の従業員は、店のあるコミュニティの住民たちについて良く知っていて、住民の信用性についてもよくわかっているため、顧客について低コストで精査するのに最適の取引先なのです。

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▲from Board of Innovation



この小売店自体も、様々なリスクパラメーターや客数、現金管理能力、業務上の信用度などを考慮して選ばれます。客は、身分証明書と写真、携帯電話の番号を持って小売店に行くだけでいいのです。

これらの小売店は、それがなければ銀行サービスにアクセスできないような低収入グループの顧客のための、小さい銀行として機能しています。


安全性・利便性と利用の広がり

銀行取引は、PINナンバーで安全が確保されており、取引の詳細もSMSで顧客の元に送られる仕組みになっています。

現在インドの多くの主要銀行が、モバイルバンキングのサービスを提供するようになっています。公共料金の支払いや映画のチケットの予約、航空券の予約などのサービスを提供している大手銀行もあります。
無料で安全で気軽にアクセスできるということもあり、その利用が広がっています。


最後に

Inclusive Businessの一例を紹介しました。

包括的に(誰にでも)金銭取引を可能にした、もしくは、これまで高収入層しかターゲットにしなかった銀行に、Unbanked People(これまで金銭取引ができなかった人々)に着目させた、という点でEkoのビジネスは賞賛すべきところがあり、このように貧しい人たちを排除しないかたちでInclusive Growth(包括的な成長)を目指していく視点が、発展途上国でビジネスをやるのに重要なのではないでしょうか。


参考

Eko India, Banking via Mobile and Local Stores (2011) - Board of Innovation

Eko: The mobile bank for low income customers (2011) – Mobile Indian
Eko: The Mobile Bank for Low Income Customers (2011) – Next Billion



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