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アフリカのインキュベーション・スタートアップ事情(5/3追記)

 2011年5月1日

こんにちは。

今回はアフリカのインキュベーション事情について調べたことを書いていこうと思います。もしすでにこの分野に明るい方で間違いなどを発見されましたら、ご指摘いただけると幸いです。




SMMEsとICT

まずアフリカでのインキュベーションやスタートアップの話をする上で押さえておくべきなのが、「SMMEs」「ICT」です。

■SMMEs■
「small, medium or micro enterprises」といって、アフリカの国家収入のおよそ3分の2がSMMEsから生まれており、大変重要な役割をになっていると認識されているようです。*1

■ICT■
ご存知の方も多いと思いますが、「Information and Communication Technology」のことです。

インキュベーションやスタートアップについて調べてみるとほとんどがICT企業対象です。ありとあらゆるインフラが未整備であるアフリカなので、PCが最重要なICTしか会社として設立できないんでしょうね。



アフリカにおける主なインキュベーション事業一覧

■南アフリカ■
アフリカでやはり一番注目されているのは南アフリカ。
ワールドカップ開催の場所となったことは記憶に新しいですが、歴史的に欧米人が過去流入していたことが大きな理由でしょうか。結果、YolaMxitTwangoo、などのICT企業が大きな業績をあげています。
まずは南アフリカにおけるインキュベーターを挙げていきますね。

*Yola:2500万ドルも売り上げたWEBサイト作成ツール
*Mxit:2700万もの購入者がいるインスタントメッセージアプリ
*Twangoo:世界中で使われているグルーポン系サービス


■The Cape IT Initiative(CITI)

CITI_logo_reasonably_small

その南アフリカの主要都市であるケープタウンを拠点としたインキュベーションNPOがThe Cape IT Initiativeです。
1998年にケープタウンのIT企業をサポートするために設立され、州や国とも連携しながら活動しているようで、今も30弱の企業が登録されています。色々なところで名前が出てくるので非常に大きな組織だと思います。


■Bandwidth Barn(BWB)

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上のCITIが完全所有しているのがこのBWBで、南アフリカでもっとも成功している(らしい)インキュベーター。2000年に設立され、CITIとともにたくさんのプログラムを実施してきたようです。とくにSMME(small, medium or micro enterprises)に注力してるよう。Afria SMME Award というコンテストの協賛をしたりもしています。



■Umbono

umbono-logo

今年4月にGoogleが南アフリカのケープタウンで行うことを決めたインキュベーションプログラム。上のCITIがロビイングしたんだそう。全6ヶ月のプログラムで、選ばれると資本金25000~50000ドル、Umbonoのオフィス無料利用権やBWBが行っているVeloCITIというトレーニングプログラム、Googleからのメンター制度、PR支援などを受けることができるとのことです。南アフリカで成功したらナイジェリア、ケニアだろうと推測されています。




■ケニア■
ケニアの首都であるナイロビも注目されている地域のようです。ユーザーオリエンテッドな国際会議Barcampが2008年にナイロビでも開催され、2010年6月にはBarcampとwherecampafricaの合同イベンドが20ほどのスポンサー企業が集まる規模で行われたのだとか。Googleもカンファレンスを開いたようです。*2

*Barcamp:元々WEB周りの技術などに関するカンファレンスとして始まったそうです。ナイロビver.のサイトはこちら
*wherecampafrica:「場所」とリングさせたWEBサービスに関するカンファレンスです



■iHub

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「iHUBのコンセプトとしては、インキュベーションオフィスというよりもプリインキュベーション(インキュベーション前)の施設で、ビジネスにする前のアイデアであるとか技術であるとかをコミュニティーとして形成するための場として位置づけていて、ここで起業家、投資家が出会うことも可能だし、かといって出会わなければならないという拘束性ももっていない。iHUBは創設から8-9ヶ月でおよそ2400人の来訪者があり、既にノキア、マイクロソフトといった大手ベンダーとのコラボレーションしたイベントも数多く開いているんだ」*3

ちなみに、色々サイト調べた中でiHubのサイトがダントツで一番カッコイイです。
iHub(おそらく完成直後)の紹介動画もありましたので載せておきます。

iHub First Look – Nairobi’s Tech Innovation Hub from Ushahidi on Vimeo.




■NAilab
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ナイロビのICTスタートアップに対するサポートを行っています。このインキュベーター自体の情報があまり調べられなかったのですが、日本人で何人か訪問した方もいらっしゃるようです。NAilabもオフィス紹介動画がありましての載せておきます。

NAILAB – Nairobi Incubation Laboratory from Cesar Harada on Vimeo.






■ナイジェリア■
ナイジェリアにも3月にqluqluというグルーポン系サービスがローンチされ、ICTスタートアップに注目されている場所の様です。


■Social Innovation Camp

social innovation camp nigeria


48時間でweb mobile をベースにした社会問題解決策を考えるというプログラムです。UKで始まったプログラムでナイジェリアだけでなく世界中で行われているようです。



■the Institute for Venture Design

institute for venture design


アントレプレナーシップとイノベーションを通してナイジェリアをより繁栄させようという施設。スタンドフォードのデザインリサーチセンターFATE財団と提携しているようです。




■ガーナ■
■Meltwater Entrepreneurial School of Technology
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2007年にガーナにて設立され、meltwater groupの meltwater foundation からの支援を受けて活動しています。アフリカのソフトウェアアントレプレナー養成のためのトレーニングやメンターシップを提供しヨーロッパやアメリカと似た環境をつくろうとしているそうです。




■そのほかインキュベーションプログラム■
ここからは国ごとではなく、もう少し大きなスケールで活動している組織やプログラムを紹介します。


■infoDev program

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infoDevは世界銀行とIFC(International Finace Corporation)の、技術のイノベーションを発展させるための融資プログラムです。infoDevは中立の議長的な立場で、二カ国または複数国間のドナー同士の共同企画をコーディネートをしているほか、開発のためのグローバルなICTの情報を共有するサポートをしたり、二重の開発や活動を減らす手伝いをしたりしていそうです。

最近 ではinfoDev SMMEs Top 50を選出するなどしています。選出された企業一覧はこちら


■African Incubation Network

africanincubatornetwork


BWBが協賛していたAfrian SMME Awardをおそらく主催しているところです。
「AINのゴールはアフリカの投資家、その他ビジネスサービスの提供者同士の協力的なネットワークを開発し、イノベーティブな中小企業発展のための適切な知識の提供を促している。アフリカの中小企業の発展を手助けする情熱を持ったひとと組織であれば、AINに歓迎するよ。」とのこと。


■VC4Africa

VC4ALogo


アフリカのベンチャー企業への投資家が登録するSNSサイトです。
投資家が登録するグループというのが38グループあって、エチオピア、モザンビーク、ジンバブエ、アフリカ・アジア、南アフリカ、カメルーン、モロッコ、トーゴ、ザンビア、エジプト、ルワンダ、リベリア、ナミビア、アンゴラ、ガーナ、ナイジェリア、スーダン、コンゴ民主共和国、ガボン、チュニジア、ベナン共和国、ボツワナ、ケニア、セネガル、ウガンダ、シエラレオネ、タンザニア、コートジボワールなどの国ごとに存在する模様。

登録しているひとたちは4218人。サイト上でディスカッションや知識・経験のシェアやイベントの告知などが行われています。アップデートも頻繁に行われている様なので、アフリカのSMEsへの投資を考えているひとは登録してみるといいかもしれません。



最後に

incubation_map


ざっと、アフリカのインキュベーションやスタートアップを追ってみましたが、
調べてみると本当にたくさんの組織やプログラムが存在していて、実はまだまだ調べきれていないものがいっぱいあります。

ぼく自身はIT関係に詳しくないので適切な評価ができるわけではありませんが、とくにiHubのサイトやBarcamp、wherecampafricaのロゴはとても好きで、遠い国アフリカでもこうやっていい商品が生まれていくんだなと感じました。

一方で、こういった都市部での始まったスタートアップが成熟した後どうなっていくのか、特に農村部にどういった影響を及ぼすのかというところが非常に気になっています。
完全な自給自足の生活ならまだしも、一部マーケットなどでの買い物をしているならば、都市部だけが発展して物価が上がってしまえば貨幣を得ることができない農村部のひとたちは大打撃を受けるはずです。

ICTというテクノロジーとしてではなく、ICT企業がフラットにアフリカの人々に手を差し伸べることができるのか。そういったところに詳し方いましたらぜひ教えてください。



追記(5/3)

    ■ルワンダ■

Raizcorpというインキュベーターを教えていただきました。IFCとRaizcorpでmaxinet とBusiness International Partnership (BIP)がパートナーシップを結び、ルワンダのSMEsサポートしたりしているんだとか。
RaizcorpがSMEsへのトレーニングを行い、BIPが初期資本提供してくれるファンドをセットアップしたりという分業を行っているらしく、この関係が実現したのはMaxinetとIFCの協力関係のおかげだそうです。
ちなみに、各SMEsが50,000~500,000ドルはもらえるようになるだろうとのこと。

このプログラムを通してルワンダの中間層を増やすことを目的としており、農村地方にも波及していくようPublic Private Partnership (PPP) を締結することも考えているそうです。わくわくしますね。*4


参考

*1 Venture Capital for Africa-about
*2 Google Conference in Nairobi
*3 Nairobi-iHub
*4  Maxinet Rwanda in international partnership deals




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