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STONEが選ぶ 2013年の世界のニュースまとめ

 2013年12月30日



こんにちは、先日よりお世話になっています、永島です。年の瀬ということもあり、今年世界ではどんなニュースがあったのか、だいぶ端折りながらも見ていきたいと思います。

ななめ読みして2013年を振り返るのもよし、リンクをたどって詳しく深読みしてみるもよし。多くのニュースのトピックで門外漢な私ですが、恐縮ながら簡単な解説もつけてみましたので、ぜひご一読を!なお、各リンクについている [英] [日] はそれぞれリンク先の言語を表しています。ご参考まで。

STONEが選ぶ2013年トップニュース

1月16日― アルジェリアで、日系大手プラント「日揮」が襲撃を受ける

世界各国で石油や天然ガスのプラント事業を手掛ける日揮がアルジェリア南部イナメナスに展開するプラントが、イスラム武装組織の襲撃を受け、邦人10名等外国人を含む多数の死傷者武装組織による民間事業者の攻撃と人質拘束、それに対するアルジェリア政府軍による(他の関係国への連絡なしの)突入など、経済開発や資源、宗教ほか多くの視点から国際社会に波紋を投げかけることとなりました。
参考:東洋経済オンラインによる日揮・川名社長の会見[日]Huffington Post – Algeria Hostage Crisis: Terror Attack ‘Inside Job’ Gone Wrong, Says Professor Jeremy Keenan[英]Huffington Post – Algeria Gas Plant Attack: Canadian Among Those Killed In Hostage-Taking, RCMP Says[英]The Japan Times – Aratani’s body brought back from Algeria[英]


3月5日 ベネズエラ・チャベス大統領が逝去

イギリスのBBC [英]、アメリカのCNN [英]、日本でもNHK [日]など、世界で広く報じられました。
南米ベネズエラの故チャベス大統領は、反米左派政権の象徴的存在で、国際的存在感も大きく、国内的には石油資本の国有化や貧困対策を推進し、貧困者の強い支持を受けました。その一方で市場取引や私的な経済活動などを推進したい経済界などとは対立。ベネズエラ国内は大統領による社会主義的な政策に対して支持派と反対派で二分されていました。大統領選挙では、後継にマドゥロ氏が選出され、チャベス氏の社会主義的な政策を継承するものとみられています。


4月ごろ― 中国で鳥インフルエンザの人への感染が確認

中国では2003年にSARSが拡大したことは記憶に新しいかと思いますが、時を同じくしてアジアのみならず世界中で鳥インフルエンザの感染が広がりました。東南アジアなどで猛威を振るうのはH5N1型と呼ばれるタイプが多いが、今回北京市や河南省、上海市、さらには台湾でも人体に感染しているのはH7N9型と呼ばれるタイプ。
WHO [英] の公式発表によれば、十分に調理された食肉から感染することはないとのことですが、史上初めて人への感染が確認され、事態の深刻化が懸念されます。特に衛生状態の保たれない鶏舎が多いなど、低所得国では感染拡大のリスクが高いことが危惧されます。
国際開発の現場でも(もちろんそうでなくても)歴史的に見ても疫病は人間社会を何度も震撼させてきました。今回は鳥インフルエンザでしたが、熱病やウィルス性の病気など、人間社会の外からの脅威への対処はいつでもそこにあるのだということを考えます。


4月15日 アメリカ・ボストンマラソンで連続爆発

容疑者と銃撃戦の末1人が死亡、もう1人は拘束された。容疑者がチェチェン人であることがわかり、アメリカのみならず世界における移民や差別、無差別攻撃などの危機が身近にあることの実情が改めて浮き彫りになった出来事でした。
こうした事件はアメリカやチェチェンだけで起きているのではなく、ミャンマーからの移民政策[日]を行った日本はどうなのか、他の途上国はどのような状態にあるのか、市民は移民とどう向かいあうのかなど、多くの問題があることを示してくれているものと思います。
参考:朝日新聞 – ボストンマラソンで爆発3人死亡 テロの可能性で捜査[日]など


4月16日(イラン・パキスタン)・4月20日(中国四川)に大地震

イラン南東部のパキスタンとの国境付近で16日M7.8の地震が発生(Reuters[英]CNN[英]The Gurdian[英]日本地震工学会[日]など)。中国四川省では20日地震が起き、少なくとも数十人以上が死亡(CNN[英]Reuters[英]BBC[日]日本地震工学会[日]など)。
自然災害による人道支援などが昨今多く報道されるようになりました。自然災害のリスクには世界規模で大きな偏りがあります。それらに対して各国や国際社会がどのように対応するのか、今後も十分な議論がなされることを期待します。


4月27日 4月バングラデシュ・ダッカで服飾工場が崩壊

繊維産業の誘致・成長により急速な経済発展に成功しているバングラデシュの首都・ダッカで、8階建ての服飾工場が崩壊し、1000人以上の死者が出る大惨事となった。
この事故を受け、バングラデシュに工場を持つ外国資本企業の連合が火事や建物、労働条件に関する自主協定を提案・署名した一方で、米国系の Gap や Walmart に加え、日本発のブランド UNIQLO を展開する Fast Retailing などは協定に参加しないことを発表。低所得国における Sweatshop(労働搾取:参考は FTE[英]the hankyoreh[日])と高所得国における消費行動を取り囲む倫理問題など、労働環境や賃金に関する話題は尽きません。
参考:Huffington Post – Bangladesh Factory Owners Charged In Deadly Fire[英]BBC – Fire destroys Bangladesh garment factory[英](ニュースのPodcast動画あり)、産経Biz – バングラデシュの縫製工場崩壊 安全操業 衣料大手の対応二分[日]ロイター – 焦点:製造原価は売価の1割、バングラ工場崩壊が映す現実[日]など


5月20日 米・ミャンマー首脳会談

ミャンマー首脳としては半世紀ぶりとなるアメリカ訪問中のテイン・セイン大統領がオバマ大統領と会談。民主化や経済協力など、ヨーロッパ諸国や日本とも関係を強めているミャンマーですが、本当に民主化と言えるのかどうか、懐疑的な見方ももちろんあります。また、多数の少数民族の立場の齟齬など、課題も山積しているのが現状です。
参考:The Irrawaddy – Burma’s Transition ‘Important for Global Democracy’[英]The Guardian – Obama praises Burma’s ‘remarkable journey’ towards democracy[英]NHK – 世界の扉 「ミャンマー 民主化と国づくりの課題」[日]など


5月ごろ トルコでエルドアン政権への抗議デモが発生。

イスタンブールの中心部再開発に対し環境団体が抗議を始めたのがきっかけとなり、政権への不満を巻き込んだデモが拡大。政府は軍を出動し、放水や催涙ガスの使用など強硬姿勢をとったと報じられました。地理的・歴史的に、アジアとヨーロッパの結束点、東西文化の集合地点など、多くの形容が当てはまるトルコですが、過去10年の経済成長でGDPが3倍になった今でも、問題はまだ残っているようです。
参考:Reuters – Turkish police fire tear gas in worst protests in years[英]Euronews – Turkey protests spread from Istanbul to Ankara[英]BBC – Turkey protests: Erdogan rejects EU criticism [英]ウォール・ストリート・ジャーナル – エルドアン首相の弾圧姿勢─岐路に立つトルコ[日][英]など


中東シリアをめぐる主な報道

5月17日 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)はシリアからの難民が150万人を超えたと発表
5月27日 EU、シリア反体制派への武器禁輸解除を決定し、アサド政権への圧力を強化
9月27日 政権側による化学兵器の使用が断定され、国連安保理がシリア化学兵器全廃決議を採択。化学兵器禁止機関(OPCW) が10月に査察を実施、14年前半までに全廃することを決定・合意。
UNHCRの発表[英](12月24日)やロイター[英]の報道によれば、大寒波の影響ですでに難民への被害も出ているとのこと。その一方で、地道に取材を続けているジャーナリスト・久保田弘信氏のブログ[日]では、非公式の難民キャンプの様子も写されており、影響が心配されます。シリアや周辺各国だけではなく、取り巻く国際社会の一部である日本や先進各国の役割とはなにか、今一度考えてみませんか。
12月29日 年末差し迫ったなか、化学兵器の処理を担当するOPCWは声明を発表し、目標としていた2013年内の化学兵器のシリア外への運搬が政情不安と道中の安全確保の困難のため断念せざるを得ないとしました(NHK[日])。2014年前半での全化学兵器の処理を行う点については予定通り行うものとしており、シリア政府への安全確保の要請も行っているとのことです。


6月20日 サッカーのコンフェデレーション・カップ開催中のブラジルで100万人デモ

ブラジルは近年著しい経済成長を記録している一方で、貧富の差も拡大しており、今回の抗議行動はそうした背景を浮き彫りにするものといえるでしょう。2014年開催予定のサッカー・ワールド杯への懸念も広がっています。
参考:BBC – Can Brazil protests can be traced back to a 2003 Fifa decision?[英]NHK – W杯開催にNO! ブラジル国民反対の何故[日]など


7月3日 エジプトでクーデター

エジプトで事実上のクーデターが起こり、「アラブの春」以降暫定大統領であったモルシ氏(BBCによるモルシ氏のプロフィール[英])が解任されました。イスラム色の強い政治姿勢が反感を買っていたことが背景とされています。また、その後の報道で裁判の様子も報じられています(Washington Post – Ousted Egyptian president Mohamed Morsi is referred for third trial[英]AFP News – エジプトのモルシ前大統領ら「スパイ行為」で裁判へ[日]など)。
参考:The Guardian – Ousted Egypt president Mohamed Morsi to face third trial[英]、ABC News – President Morsi Ousted: First Democratically Elected Leader Under House Arrest[英]NHK オンライン – エジプト “クーデター”から1週間[日]など。


9月21日 ケニアでイスラム過激派の襲撃

ケニア北部のショッピングモールがイスラム過激派組織アッシャバーブの襲撃を受けた。軍が22日突入し、1000人以上の客を救出。
外国人も多く集まる施設での大事件となり、国際協力支援機関等が活動を継続するかどうか是非をめぐる議論などへの波紋も広がりました。主な懸念としては、ケニアがソマリアに軍隊を派遣したことによる緊張が背景にあることや、ケニアの経済成長を示すかのようなハイエンドなショッピングセンターへの襲撃が象徴する同国内の経済活動の停滞への危惧、さらには政治的な反感などの表面化なのではないかという意見も出ています(International Business Times – Ripple Effects Of A Terrorist Attack: After Westgate, Kenya And The World Face Changing Times[英])。
参考:MSN 産経ニュース – 武装集団、SNSで攻撃力誇示 多数の外国人犠牲に[日]BBC – Nairobi siege: How the attack happened[英](モール内部の構造などの紹介あり)、The Independent – Kenya shopping mall attack latest: Military takes control of shopping centre and says all hostages freed[英]など。


9月27日 気候変動の状況に警鐘

国連IPCC[英](気候変動に関する政府間パネル)は6年ぶりに報告書を発表し、地球温暖化進展に警告を発しました。人為的な経済行動を原因とする温暖化が進んでおり、熱波や豪 雨等の自然災害が頻発していることを指摘しています。温暖化対策は2012年の京都議定書約束期間終了後進んでいない状況となっています。
イギリスの The Guardian は記事[英]の中で過去100年強にわたる気温変動と人間の活動に起因する二酸化炭素排出量に関する二つのグラフを引用し、レポートの内容を伝えています。一方で、その上昇幅は過去15年間では1951年から2012年までの平均的な上昇率よりも小さくなったことなども示しています。経済の南北格差が続けば、地理的な要因も重なって「南側」諸国の貧しい人たちこそが大きな被害を受けることになると思うのですが、低所得国政府は一般に経済活動の縮小を懸念するとして環境破壊や温暖化に積極的な関与をしない印象があります。


10月11日 ノーベル平和賞の受賞者発表

スウェーデンで、2013年のノーベル平和賞[英]の受賞者が発表され、シリアでの化学兵器廃棄計画などを進めるOPCW[英](Organization for the Prohibition of Chemical Weapons、化学兵器禁止機関)が選出されました。
ノーベル賞授与には(多額の賞金もついていることから)こうした活動を後押しする狙いがあるとみられており、一部では政治的中立性などに対する批判もありましたが、それは今に始まったことではないようにも思われて、私自身は批判の方向性が間違っているような気もします。
参考:The Guardian – The peace prize is an incentive[英](2009年オバマ米国大統領の受賞に際しての論評)、Global Post – Nobel Peace Prize goes to the Organization for the Prohibition of Chemical Weapons in surprise win[英]など。


10月28日― 中国・北京の天安門に自動車突入

中国の首都・北京にある天安門で、自動車が突っ込み、炎上する事件がありました。中国当局はウイグル独立派「東トルキスタン・イスラム運動」のテロと断定し、関係者を拘束するとともに新疆ウイグルなどで厳戒態勢を敷いたうえ、ウイグル族への締付けを強化していると報じられました。
中国における少数民族問題の根の深さを改めて見せつける結果となり、国際社会からは攻撃を受けた中国への同情は少なく、むしろ少数民族の扱いへの批判やウイグルへの同情が多く寄せられたような印象があります。
参考:日経ビジネス – 本当にウイグル過激派のテロなのか[日]ZAKZAK – 中国騒乱 「ぬれぎぬ」ウイグル族は怒り 3中総会前に不穏な空気[日]など。


11月8日 フィリピンで巨大台風

台風30号、通称ヘイヤン(Haiyan)がフィリピンに上陸・直撃し、5000人以上の死者、2000人近い行方不明者を出したと報じられています。復興をめぐっては、2004年にインドネシアのアチェを襲った津波よりも大変なのではないかともいわれており、これも2004年に起こったハイチの津波の復興がいまもなお頓挫していることから何か学べることはないのかという意見[英]もあります。
イギリス BBC は被害の大きかった地域の Before-After の写真[英]を出しており、またアメリカ CNN は被害がどのようであったかを360度見渡すことのできるパノラマ写真[英]で伝えています。
参考:ロイター – フィリピン台風「復興に10年」、スマトラ島アチェより被害甚大か[日]日本経済新聞 – 死者・不明、数千人規模か フィリピン台風被害 [日]など。


11月15日 中国、政策の一部転換

中国は開始以来35年ぶりに一人っ子政策転換の方針を打ち出し、夫婦どちらかが一人っ子なら第2子までの出産を認めることとなりました。現在、34歳以下のほとんどが一人っ子で、国内では急速な高齢化が進み、労働力の不足や若年層の社会保障費負担増大等が深刻化。同発表ではほかにも、預金保険制度の導入や、水・エネルギーなどの価格規制の緩和、医療・病院制度の改革、環境問題への取り組みなども打ち出しています。
参考:ウォール・ストリート・ジャーナル – 中国、一人っ子政策緩和へ 強制労働制度も廃止[日][英]Population Research Institute – China to End One-Child Policy in 2015 Because of Labor Shortages! (But Not Really)[英]CNN – 中国、一人っ子政策の緩和を発表 労働教養所の廃止も[日]日経ビジネス – 変わるか、中国の一人っ子政策[日]など。


11月23日 COP19

環境問題を話し合うCOP19が、2020年以降の地球温暖化防止枠組みについて、自主的に目標を導入することなどで合意し、2015年までに全ての加盟国による合意形成を目指すほか、先進国からと報告への資金援助計画等も合意。問題点としては、京都議定書のように拘束力のある枠組みではないことなどが挙げられ、中国やブラジルなど新興経済圏の責任の在り方なども引き続き問われています。日本の姿勢に対しては、すでに他の国よりもエネルギー利用が効率的であることなどが評価される一方、東日本大震災の復興を考慮に入れた上でさらなる貢献が求められます。
参考:BBC – Mood of ‘realism’ about future deal at climate talks [英]CNN – COP 19 Warsaw Wrap-Up: Where Does a Global Climate Deal Stand?[英]Yahoo! ニュース – COP19 日本も長期的な地球温暖化対策を示せ[日]など。


12月5日 ネルソン・マンデラ元南ア大統領逝去

病気療養が長く続いていたネルソン・マンデラ南ア元大統領が他界し、95年の人生の幕を閉じました。反アパルトヘイト運動を指導し、27年に及ぶ獄中生活ののち、1994年に初の黒人大統領に選出されました。白人への報復でなく、人種融和を目指したことで世界の多くの人の支持を受けました。
参考:マンデラ氏の独居房 – ナショナル・ジオグラフィック[日]マンデラ氏の訃報 – 毎日新聞[日]マンデラ氏の足跡 – ウィキペディア[日]マンデラ氏の遺したもの[英]CNN – Why Mandela still matters to South Africans fearful for future[英]BBCによるマンデラ氏の紹介[英]BBCのまとめた動画と写真、文章で見るマンデラ氏の一生[英]など。
関連映画:『マンデラの名もなき看守(Youtube予告編)』(2007年)、『インビクタス/負けざる者たち(Youtube予告編)』(2009年)など。


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