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援助から投資へ アフリカの展望と課題

 2013年6月21日

さて、今回は6月初旬に開催されたTICADⅤと投資、汚職について考えてみましょう。


TICADとは

TICADとはTokyo International Conference on African Development(アフリカ開発会議)の略で、アフリカ開発の議論を目的に1993年に開始されました。5回目となる今回は準備会合に基づき「包摂的で強靭な社会」、「平和と安定」、「貿易・投資」の3つを柱に議論がなされました。


援助から投資へ

今回のTICADで注目すべきことは民間投資の役割がこれまで以上に鮮明になったことです。日本政府は今後5年間で140億ドル(約1.4兆円)のODAを含む320億ドル(約3.2兆円)の拠出をアフリカ諸国に約束しました。この資金は世界市場へのアクセスを可能にするためのインフラ整備や人材育成、観光、農業、保健、平和構築など幅広い分野のために使われる予定です。


良くない投資環境

投資の流れが加速していますが問題点もあります。今回は汚職問題を例に考えてみましょう。反汚職を目指す国際NGOのTransparency International(TI)が発表するCorruption Perception Index(CPI)を見ると、アフリカ諸国のCPIは軒並み低調です(CPIは0-100の範囲で値が小さいほど腐敗度が高いことを示しています)。近年投資環境の改善が進んでいるといわれているウガンダも2012年のCPIは29で世界130位(日本は74で17位)にとどまっています。また同国は昨年から政府上層部の深刻な汚職を理由にヨーロッパ諸国からの支援が中断されています。TICADⅤのために来日したムセベニ大統領もしばしば汚職をしていると非難されている人物です。また2011年にはムババジ首相がオイル開発を巡ってイタリアの石油会社ENIへ便宜を図ったという疑惑が報じられました。



汚職がなくならない理由

汚職による資金横領は本来税として徴収される歳入を減少させ、政府の所得再分配機能を歪めてしまいます。その結果公共サービスの質は低下し、インフラ整備や教育など発展に必要な投資も減少してしまいます。

それなら汚職を撲滅すればいいと私たちは考えますが、汚職はなかなかなくなりません」。これにはいくつかの理由があります。まず発展途上国には先進国と違って汚職を逃れる手段がないことです。汚職撲滅には多くの人手を必要とする調査機関を設置する必要がありますが、貧弱な予算ではそのコストを賄えないからです。次に政治的な障害があることです。多くの政治家や官僚は汚職の積み重ねでキャリアと地位を築いており、政府内部からの改善が進みにくい現状があります。また複雑な行政手続きも汚職の温床となります。つまり、手続きを簡略化するためのパスポートとして賄賂が利用されるのです。


これからの経済発展

近年アフリカ諸国は「最後の市場」といわれ、日本企業の進出も盛んになっています。今後アフリカは魅力的な投資先としてますます重要度を増していくでしょう。また投資環境改善の取り組みは不十分ではありますが行われています。企業、市民は汚職に対して厳し目を向けていますし、現地メディアも汚職問題を大きく報じています。汚職を減らすためにどのような取り組みがなされているのか、何が必要になってくるのかは次回以降の記事でご紹介したいと思います。


参考文献

山崎圭一(2013)『進化する政治経済学 途上国経済研究ノート』,レイライン
Transparency International, Corruption Perceptions Index 2012
Uganda Correspondent, Mbabazi linked to corrupt oil deals – Wikileaks
外務省、横浜宣言2013
外務省、横浜行動計画2013-2017


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