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農地争奪戦①―外国企業の進出と途上国―

 2011年10月17日

今回はLand Grabについてご紹介させていただきたいと思います。


Land Grabってなに?

Land Grabという動きをご存じでしょうか?
Land Grabとは、今世界的に広がっている農地争奪戦のことを言います。
土地や水不足・環境問題・人口増加などの何らかの問題から将来的な食糧安全保障に不安を持ち、かつ資金の豊富な国々の政府・企業が、安価で広大な土地が獲得できる海外の国々(主に途上国)の農地を囲い込んでいるのです。
2007~2008年の世界同時食糧危機が将来的な食料不足への危機感を高め、この動きに拍車をかけました。
別名「新植民地主義」や「ランドラッシュ」と称されるこの動きは、外交的・政治的リスクを抱えながら、現在劇的なスピードで拡大していると言われています。

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Land Grab進出国・受入国MAP


ターゲットとなったアフリカ

こうしたLand Grabのターゲットの一つとなっているのがアフリカです。
そして、それよって、現地住民の権利が侵害され、生活が脅かされる事態も発生しています。
外国企業の進出によって強制的に土地を奪われ生計を立てる術を失ったり、奴隷のように日々働かされ搾取されたりというような現地住民の生活を無視した土地取引がなされているのです。
マダガスカルではLand Grabが政府の転覆に繋がりました。
国民の大多数が農業に従事するこの国で、韓国企業が国の耕作可能面積の半分にあたる面積の土地を99年間無償で借り入れる契約を政府と交わしたという報道がなされ、それによってデモが発生、大統領は退陣に追い込まれました。


外国企業による食料の大量生産と飢餓という矛盾

外国企業によって生産された食料は、たとえ国内でどんなに深刻な飢餓が起こったとしても、基本的に国内市場に流通することはありません
外国企業は、海外でより高く売るため、あるいは自国へ送るために作物生産をしているからです。
アフリカの一部の国々では、今、慢性的な食糧不足から国際的食糧支援を受ける一方で、国内で大量生産された食料は海外に輸出されるという矛盾が起こっているのです。


Land Grabは海外からのありがたい投資

では、なぜ受入側の国々は、国民の生活を侵害してまで、外国企業の進出を受け入れるのでしょうか?
また、本来は、侵害されてはならないはずの国土を積極的に貸し出すのでしょうか?
そこには、土地を資源として国全体を発展させたいという考えがあります。
外国企業が進出すれば、現地住民には難しい最先端の農業技術の導入と移転や、雇用の創出インフラの整備などが望まれます。
また、耕作可能な土地でありながら耕作放棄地あるいは未開発となっている土地を持て余すこともなくなります。
Land Grabは受入国にとってありがたい投資に他ならないのです。
また、国の発展のためには、多少の住民の犠牲は厭わないという考えもあるようです。


最後に

外国企業の進出によるメリット・デメリットの折り合いをどのようにつけていくのか、難しい問題であると思います。
みなさんはどのように考えますか?

進出国の政府や企業は将来的食料危機への不安からLand Grabにはしるとご紹介しました。
しかしながら、そもそもLand Grabというのは進出国各国の食料安全保障を確立し得る手段なのでしょうか?
そのあたりのところについて、また、Land Grabについてなされた国際的合意について後半の記事で紹介していきたいと思います。

参考・引用文献

ランドラッシュ 激化する世界農地争奪戦/NHK食糧危機取材班著 2010年
朝日新聞 GLOBE

 

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